友達とごはんを食べているときに、会計の場面でふっと空気が変わること、ありませんか。
「あ、割り勘でいいよね?」と言ったあとの、ほんの一瞬の沈黙。誰も悪いことをしていないのに、なぜか全員がちょっとだけ目をそらす。あの空気、いったい何なんでしょうね。
今日は、その「お金の話をするのがなぜか気まずい」という感覚の正体を、いっしょに考えてみたいと思います。
そもそも、なんで気まずいのか
天気の話や、昨日見たドラマの話は、いくらでもできます。でも「いくら貯金してる?」と聞かれたら、たいていの人はちょっと身構えますよね。
この違いを考えてみると、お金の話には「数字」がはっきり出るからだと思うんです。
好きな食べ物は、どれが上で、どれが下というものではありません。でもお金の数字は、大きい小さいがすぐに見えてしまう。しかも、その数字が「自分の価値」のように感じられてしまうところが、ややこしいんですよね。
本当は収入や貯金額と人の価値は関係ないのに、数字を口に出した瞬間、なんとなく比べられている気がしてしまう。この「比べられるかもしれない」という感覚が、気まずさの正体のひとつだと思っています。
子どものころに身につけた、無言のルール
もうひとつ思うのは、私たちが小さいころに学んだ空気の影響です。
子どものころ、親に「これ買って」とお店でねだって、「そういうことを大きな声で言わないの」と言われた経験はないでしょうか。あるいは、親が家計の話をするとき、子どもには聞かせないように声をひそめていた、とか。
そういう小さな場面の積み重ねで、「お金の話は、あまり人前でするものじゃない」というルールが、いつのまにか心の中に入ってしまったのかもしれません。
だから大人になってからも、お金の話をしようとすると、なんだか悪いことをしているような、ちょっとドキッとする感じが出てくる。ルールを教わった記憶はないのに、ちゃんと守っているわけです。
気まずさが生む、ちょっと損なこと
この気まずさ、実は放っておくと、ちょっと困ることもあります。
たとえば、友達との間で「ここは出すよ」「いや、今月ちょっと厳しくて」が言えないとします。そうなると、本当は行きたくない食事会に無理して参加したり、逆に誘われるのが怖くなって距離ができてしまったり。
家族やパートナーとの間でも同じです。お金の考え方の違いは、話さなければ見えないままです。見えないまま時間が過ぎて、あるとき急にぶつかる、ということも珍しくありません。
お金の話を避けているつもりが、実は人間関係のほうに、じわじわ影響が出ているのかもしれないんですね。
気まずさを少しやわらげる、小さな工夫
では、どうすればいいのか。いきなり「貯金額を教え合おう」なんて言う必要は、まったくないと思います。
私が大事だと思うのは、「お金の話」を「気持ちの話」から始めることです。
たとえば、こんな感じです。
- 「今月ちょっと節約中なんだよね」と、軽く伝えてみる
- 「このお店、思ったより高くてびっくりした」と、感想として話す
- 「最近、お金の使い方を見直してるんだ」と、自分の話として切り出す
数字を出さなくても、自分の気持ちや状況を少し言葉にするだけで、空気はずいぶん変わります。
相手も「実は私も」と返してくれることが、案外多いんです。みんな同じように気まずさを抱えていただけ、というのはよくある話です。
気まずさは、悪いものじゃない
最後に、ひとつだけ。
お金の話が気まずいのは、それだけお金が私たちの生活や気持ちに近いところにある、ということだと思います。どうでもいいことなら、気まずくなんてなりませんから。
だから、その空気を無理になくそうとしなくてもいいんです。「ちょっと気まずいよね」と笑いながら話せるくらいが、ちょうどいいのかもしれません。
あの会計前の一瞬の沈黙は、みんながお金を大切に思っているからこそ生まれる、ちょっと不器用で、ちょっと愛おしい空気。そう思えたら、次の割り勘の場面が、少しだけ気楽になるかもしれませんね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
ここまで読んで頂き、ありがとうございます
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