「ちょっとだけ」のはずだった
仕事帰りにコンビニへ寄る。目的は、明日の朝に飲む水かお茶。
レジに向かう途中、ふと目に入る新作のチョコ。レジ横のホットスナック。「まあ、300円くらいなら」と、気づけばカゴに足している。
こういう「ついで」は、買った瞬間に後悔することがほとんどない。ちゃんと美味しいし、ちょっと元気も出る。だから私は、この習慣を問題だと思ったことが一度もなかった。
家計簿アプリを開いて、手が止まった
きっかけは、月末にふと家計簿アプリを開いたことだった。
「コンビニ」のカテゴリを見ると、思っていたよりずっと金額が大きい。そこで明細を一件ずつ見返してみた。
すると、本来の目的だった水やお茶の隣に、毎回のように300円前後の小さな買い物が並んでいる。チョコ、グミ、ホットスナック、新作のスイーツ。
試しに「ついで買い」だけを拾って足してみた。その月は、およそ9,000円だった。
300円 × 30日 = 9,000円。算数としては単純なのに、見るまで気づけなかった。
300円は、お金として見えにくい
なぜ気づかなかったのか、少し考えてみた。
- 財布から小銭だけで出ていく感覚があり、「使った」実感が薄い
- キャッシュレスだと、金額を意識する前に支払いが終わる
- 1回ごとの買い物が小さいので、「今日の自分へのご褒美」と納得できてしまう
- 1回ずつ見ると、罪悪感がまったく湧かない
つまり300円は、安いから気にならないのではなく、「気にならない金額」だから積み上がるのだと思う。
9,000円は、何に化けるのか
9,000円と聞いて、改めて想像してみた。
- ちょっといいレストランでのディナー1回分
- 好きな本が5〜6冊
- 気になっていた靴下やシャツを何枚か
- 1年続ければ、10万円を超える
ついで買い自体が悪いわけではない。ただ、「ついで」という名前のせいで、一度も「選んで」いなかったことに気づいた。
私が試した、無理のない見直し
ここで「ついで買いは禁止!」としてしまうと、たぶん私は3日で挫折する。なので、ルールはゆるくした。
1. 「目的のもの」だけカゴに入れる
入店前に、買うものを一つ決めておく。レジに向かう前に、カゴの中身を一度見る。
2. 「欲しい」と思ったら、一呼吸おく
手に取ってから棚に戻すまで、数秒かけてみる。それでも食べたければ買う。意外と、戻せるものも多い。
3. 週に何回かは「選んで買う」日にする
我慢するのではなく、「今日は買う日」と決めて、好きなものを堂々と買う。そのほうが、ずっと満足感が高かった。
4. 月末に、ついで買いの合計を見る
家計簿アプリで、コンビニのカテゴリだけ眺める。責めるためではなく、現状を知るために。
やってみて、思ったこと
見直しを始めてから、ついで買いの金額はだいぶ減った。でも、それ以上に大きかったのは、一つひとつの買い物を「自分で選んでいる」感覚が戻ってきたことだった。
買うなら、ちゃんと味わって食べる。要らないなら、棚に戻す。それだけのことなのに、お金との距離感が少し健やかになった気がする。
おわりに
お金の話というと、大きな出費や投資の話に目が向きがちだ。でも実際の暮らしでは、こういう小さな「ついで」のほうが、静かに家計を動かしていることも多いのかもしれない。
もし今日、コンビニのレジに並ぶ予定があるなら、カゴの中をひとつだけ見てみてほしい。そこにある300円は、あなたが「選んだ」300円だろうか。
その問いかけだけで、1か月後の財布の中身は、きっと少し変わるはずだ。
ここまで読んで頂き、ありがとうございます
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