2026年2月21日土曜日

通帳を見つめる静かな時間

夜、部屋の明かりを少し落として、
机の上に通帳を置く。
開く前のその一瞬が、
いちばん緊張する。

ぱらりとめくると、
整然と並んだ数字たち。
そこには喜びも後悔も書いていない。
ただ、事実だけが並んでいる。

入ってきた日。
出ていった日。
その横に小さく刻まれた記録。
あの日の自分の選択が、
静かに残っている。

思ったより減っているときは、
少しだけ胸がざわつく。
増えているときは、
ほっと息が深くなる。
でも、どちらもほんの一瞬だ。

通帳は感情を持たない。
責めもしないし、褒めもしない。
ただ、私の暮らしを映す鏡のように、
黙ってそこにある。

通帳を見つめる静かな時間は、
お金を見る時間というより、
自分を見つめる時間なのかもしれない。
焦りすぎていないか。
無理をしていないか。
ちゃんと前を向けているか。

最後のページを閉じるとき、
小さく深呼吸をする。
数字は今日の結果。
でも、明日の選択はまだ白紙だ。

通帳をしまい、
部屋の灯りを戻す。
静かな時間は終わるけれど、
その余韻は、しばらく胸の中に残っている。

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