お金の始まりは、いつだったのだろう。
生まれた瞬間から、すでにそこにあった気もするし、
ある日ふと、重みを持って目の前に現れたような気もする。
子どものころは、
お金はただの数字だった。
ゲームを買うための枚数。
お菓子と引き換えになる紙。
けれど大人になるにつれて、
それは少しずつ、形を変えていく。
安心の象徴になり、
不安の種にもなる。
通帳の数字にほっとしたり、
レジでカードを差し出すときに、
ほんの少し胸がざわついたりする。
お金そのものは、
ただの道具のはずなのに。
でも、その道具に、
自分の時間や労力や、
ときには誇りまで結びつけてしまうから、
話は単純ではなくなる。
お金の始まりは、
きっと「交換」だったのだろう。
ありがとうの代わりに、
物と物を取り替えたあの日。
そこから少しずつ、
形が整えられ、
数字がつき、
社会の仕組みになった。
そして今、
私の手の中には、
目に見えないデータとして存在している。
触れられないのに、
確かに重たい。
お金の始まりは、
遠い昔の物々交換かもしれない。
けれど自分にとっての始まりは、
「これがないと困る」と
初めて思った瞬間だったのかもしれない。
それでも、
お金より先にあったものを、
忘れないでいたいとも思う。
人と人とのやりとり。
信頼。
小さな約束。
もしかしたら、
本当の始まりは、そこにあったのだから。
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