なんとなく広げてみる。
そこには、昨日の自分が何を買ったのかが、きっちり印字されている。
お茶。
お菓子。
ついでに買ったパン。
必要だったような、別になくてもよかったようなもの。
その文字を見ていると、少しだけ昨日の自分に言いたくなる。
「それ、本当に今いるやつやった?」
もちろん、買った瞬間は必要だったのだと思う。
疲れていたのかもしれない。
小腹がすいていたのかもしれない。
ちょっとだけ気分を変えたかったのかもしれない。
だから、全部が無駄だったとは思わない。
でも、レシートというものは、なかなか正直だ。
買ったときの言い訳までは印字してくれない。
ただ、商品名と金額だけが並んでいる。
その冷静さが、少し痛い。
昨日の自分は、たぶん何も考えていなかったわけではない。
ただ、その場の空気に負けたのだと思う。
レジ横に置いてある小さなお菓子。
限定という言葉。
なんとなく入ったコンビニ。
そういう小さなものに、少しずつ負けている。
一つひとつは大きな金額ではない。
だから、その場では気にならない。
でも、レシートになって戻ってくると、急に現実味が出る。
小さな出費にも、ちゃんと足あとがある。
お金の管理というと、すごく難しいことのように感じる。
家計簿をつけたり、節約を徹底したり、毎月の数字をきれいに整えたり。
そういうことができる人は本当にすごいと思う。
でも、自分の場合はまず、レシートを見るところからでいいのかもしれない。
昨日の自分が何にお金を使ったのか。
それを見て、少しだけ立ち止まる。
「ああ、ここは減らせたかも」
「これは買ってよかったな」
「これは完全に勢いだったな」
そんなふうに思うだけでも、何もしないよりは少し前に進んでいる気がする。
レシートは、怒るためのものではない。
自分を責めるための紙でもない。
ただ、昨日の自分の行動を、静かに見せてくれるものだと思う。
その中には、ちょっと反省する買い物もある。
でも、助けられた買い物もある。
疲れた日に買った甘いものが、少しだけ気持ちを持ち直してくれたこともある。
暑い日に買った飲み物が、その日の自分を助けてくれたこともある。
だから、全部を悪者にしなくてもいい。
ただ、次に同じ場面になったとき、少しだけ考えられたらいい。
昨日の自分に文句を言いながら、今日の自分が少しだけ気をつける。
それくらいの距離感が、ちょうどいいのかもしれない。
財布の中のレシートは、小さな紙なのに、意外といろいろ教えてくれる。
何を買ったか。
何に流されたか。
何が本当に必要だったか。
そして、昨日の自分がどんな気分で一日を過ごしていたのかまで、少し見えてくる。
今日もまた、何かを買うかもしれない。
そのレシートを明日の自分が見たとき、できれば少しだけ納得できる買い物であってほしい。
昨日の自分に文句を言いすぎず。
今日の自分を甘やかしすぎず。
レシートを見ながら、そんな小さな反省をしている。
ここまで読んでくれて、ありがとうございます
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