2026年5月27日水曜日

なぜかお金は、出ていく時だけ足が速い

お金というものは、
入ってくる時はゆっくりなのに、
出ていく時だけ、なぜか足が速い。

給料日までは、
あれだけ長く感じるのに、
支払いの日はすぐに来る。

少し余裕ができたかなと思ったら、
電気代、水道代、通信費、食費、日用品。

気づけば、
財布の中も、口座の数字も、
静かに小さくなっている。

お金は、
出ていく時にだけ、
まるで用事を思い出した人みたいに急ぐ。

「ちょっと待って」と言いたくなる。

でも、待ってくれない。

生活しているだけで、
お金は少しずつ出ていく。

ぜいたくをしたつもりがなくても、
特別なことをしたつもりがなくても、
ただ普通に暮らしているだけで、
ちゃんと減っていく。

それが少し、
切ない。

お金のことばかり考えたくないのに、
お金のことを考えずには暮らせない。

欲しいものを買う時よりも、
必要なものを払う時の方が多い。

楽しみのために使うお金より、
暮らしを続けるために消えていくお金の方が、
ずっと現実的な顔をしている。

だからこそ、
お金が出ていく瞬間には、
少しだけ寂しさがある。

また働かないといけない。
また考えないといけない。
また我慢しないといけない。

そんな気持ちが、
支払いの数字の向こう側に見える。

けれど、
お金が出ていくということは、
何かを支えているということでもある。

家の明かり。
あたたかいごはん。
スマホがつながること。
雨の日に帰る場所があること。

そう思うと、
全部がただ消えているわけではないのかもしれない。

足が速いお金は、
どこかへ逃げているのではなく、
暮らしの形に変わっているのかもしれない。

それでも、
もう少しゆっくり歩いてくれてもいいのにと思う。

入ってくる時は、
あんなに慎重なのだから。

出ていく時くらい、
少しだけ振り返ってくれてもいい。

お金は今日も、
こちらの気持ちを置いて、
軽やかに出ていく。

そして残されたこちらは、
小さくため息をつきながら、
また明日の暮らしを考える。


ここまで読んでくれて、ありがとうございます

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