友人や知人から「少しお金を貸してほしい」と言われたとき。
その瞬間、頭の中でいくつもの感情が交差します。
助けてあげたい気持ち。
でも、戻ってこなかったらどうしようという不安。
そして、もうひとつ。
利息は取るべきなのか、という迷い。
銀行なら利息を取るのは当たり前です。
リスクを引き受ける対価として、お金の時間的価値に対して利息が発生します。
けれど、相手が友人だったらどうでしょうか。
利息を取れば「冷たい」と思われるかもしれない。
取らなければ、どこかで自分が損をした気持ちになるかもしれない。
お金の問題は、数字よりも感情のほうがずっと大きいのです。
法律上、個人間でも合意があれば利息を設定すること自体は可能です。
ただし、上限を超える高い利率は無効になる場合があります。
そして何より、信頼関係が壊れてしまえば、取り決め以前の問題になります。
紙の契約よりも、人間関係のほうがずっと繊細です。
そもそも、なぜ利息を取りたいのか。
リスクへの対価なのか。
それとも、感情のバランスを保つためなのか。
もし「返ってこないかもしれない」という不安が強いなら、
貸さないという選択も一つの誠実さです。
無理をして貸して、関係まで失ってしまうなら、
最初から断るほうが優しいこともあります。
個人間のお金の貸し借りは、
金融取引というよりも、心のやり取りに近い。
利息を取るかどうかよりも大切なのは、
後悔しない形を選べるかどうか。
「返ってこなくてもいい」と思える金額だけを貸す。
あるいは、貸すのではなく、あげる覚悟を持つ。
そこまで考えられたとき、
お金は少しだけトラブルから遠ざかる気がします。
お金は便利な道具ですが、
人間関係の上に置いた瞬間、とても重くなる。
その重さを忘れなければ、
きっと答えは自然と見えてくるのかもしれません。
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